コロナショックで不平等度はどうなるか?(2)

2020.12.21

コロナショックで不平等度はどうなるか?(2)

 「コロナショックで不平等度はどうなるか?(1)」では、コロナショックによる悪影響が軽微のうちは不平等度が拡大するが、悪影響が甚大となれば不平等度は縮小する可能性を指摘した。IMFの「How COVID-19 Will Increase Inequality in Emerging Markets and Developing Economies」では、不平等度が拡大する可能性が指摘されている。

当ペーパーでは、コロナショックによって先進国と新興国の格差が拡大すると主張している。低所得労働者は在宅勤務がしづらく、パンデミックの結果として職を失う可能性が高く、所得分配が悪化しやすいことが背景として指摘されている。106ヵ国の2020年の所得分布のCOVID後のジニ係数を個別に計算した結果、所得分布に対するCOVID-19の効果は、過去のパンデミックによる効果を遥かに上回る可能性が示唆されている。

なお、米国の企業部門の労働生産性は、需要の大幅減少にもかかわらず、4~6月期に前期比年率+9.6%、7~9月期に同+6.4%となった。顕著に伸びが加速している。10月の時間当たり賃金伸び率も前年比+4.0%と、9月から横ばいではあったが、賃金上昇率はパンデミック前の2%台から切り上がっている。この背景として、相対的に賃金の低い人が、より多く労働市場から退出した可能性が考えられる。コロナショックは生産性が低い部門に特に厳しく、低生産性部門を吹き飛ばしたかのようにも見える。

(株式会社フィスコ 中村孝也)


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