日本政府は、ユネスコ世界遺産委員会の決議採択に全力で対処せよ

2021.07.27

日本政府は、ユネスコ世界遺産委員会の決議採択に全力で対処せよ

2021年7月22日、各種報道機関は「国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は、2015年7月に登録された日本の世界文化遺産『明治日本の産業革命遺産』の展示について、長崎県の端島(通称・軍艦島)での朝鮮半島出身労働者の強制労働についての説明が不十分だとして『強い遺憾』を明記し、改善を求める決議を採択した」と報じた。

この問題は2015年、ユネスコが「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」23カ所を世界遺産に登録したが、韓国が「朝鮮半島出身者が強制的に労働させられていた」と主張し、登録に反対したため、ユネスコが、日本政府に各施設の「歴史の全容」を理解できる史料の展示を勧告した。そして、日本政府は、この勧告に従い、当時の状況を説明する「産業遺産情報センター」の設置を約束したという経緯がある。ユネスコは今回の決議文作成にあたり、ドイツ人女性を産業遺産情報センターに派遣し、リモートでオーストラリア人とベルギー人の調査員が加わり、報告書を提出したとされている。

当時のユネスコ日本政府代表部の佐藤大使は、2015年7月の第39回ユネスコ世界遺産委員会で「日本は1940年代、いくつかの施設において、その意志に反して連れてこられ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいたこと、また、第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できる措置を講じる所存である」と述べている。

加藤康子産業遺産情報センター長は、施設開設に当たり、当時端島に住んでいた元住民など約70人からの証言や、炭鉱を運営していた三菱鉱業(現三菱マテリアル<5711>)の鉱山保安規則などの記録を調査し、労働環境や処遇についての証拠・根拠が確認されたものを正確に展示していると主張している。加藤勝信官房長官は、7月13日の記者会見で、ユネスコにおいて「朝鮮半島出身者の強制労働に関する説明が不十分だとして、改善を求める決議が提出された」との報道に対し、「約束した措置を含め誠実に履行してきた。こうした立場を踏まえ、適切に対応したい」と発表している。

韓国は、悪意に満ちた歴史の捏造、歪曲、虚構により日本の先人の名誉を汚し、不当にわが国の威信を失墜させ、将来の世代に禍根を残し、日本の国際評価を落とすという政治的プロパガンダに執着している。

軍艦島の徴用工夫として象徴的に使用されている写真は、写真家斎藤康一氏が昭和36年に筑豊炭鉱で撮影したものであり、韓国の児童用絵本の「檻の中の少年たち」の挿絵が、昭和52年出版の写真録「日本現代写真史1945-1970」(平凡社)にある終戦直後の品川の浮浪児の写真であることなどが判明している。また、韓国の国立日帝強制動員歴史館の展示、MBC、KBSなどのメディアの引用は、ほとんどが捏造や全く異なる写真の引用などであることが明らかにされている。(本年3月、参議院内閣委員会における自民党和田政宗議員および有村治子議員の質問への政府答弁等)

世論戦、メディア戦という言葉がある。自らの主張を、マスコミ等をつうじて広げていく政府活動の総称である。単一民族で構成される日本は、文化的にこの種の活動が不得手である。言わなくても分かってくれるという考えは通用しない。慰安婦問題が、国連のクマラスワミ報告で国際的評価が確定したようなことを二度と起こしてはならない。

日本政府は、このユネスコ問題を軽視することなく、また、慰安婦問題対応の失敗を繰り返すことのないよう緊張感を持って、全力で対応してもらいたい。

サンタフェ総研上席研究員 將司 覚
防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。P-3C操縦士、飛行隊長、航空隊司令歴任、国連PKO訓練参加、カンボジアPKO参加、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動教訓収集参加。米国海軍勲功章受賞。2011年退官後、大手自動車メーカー海外危機管理支援業務従事。2020年から現職。

写真:Yonhap/アフロ


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