ゲスト
橋本欣典(チューリンガム株式会社 COO)
東京大学大学院経済学研究科金融システム専攻。日本取引所グループでは日本証券クリアリング機構にてクオンツとしてIRS、CDS、上場デリバティブ、現物株の証拠金アルゴリズムの高度化に従事。その後bitFlyerの経営戦略部にて、デリバティブ商品設計、仮想通貨AML 体制構築などに関わったのち、BUIDLにてリサーチャーとして交換業向けコンサルティング、アドレストラッキングツールのアルゴリズムを開発。また、Scaling Bitcoin 2019 にて論文を発表。
聞き手
白井一成(株式会社実業之日本社社主、社会福祉法人善光会創設者、事業家・投資家)
自由な分散型金融に立ちはだかる規制
白井:ブロックチェーン上で、契約と決済を自動的かつカウンターパーティーリスク(取引の相手方が破綻するなどして、契約が履行されずに損失を被るリスク)なしに行う仕組みがスマートコントラクトです。スマートコントラクトは金融、経済をより効率化させると同時に、従来の国家の形にも影響を与えるのではないかと想像しています。
国の枠組みを超えて経済のグローバル化が進んでいますが、国内法のみならず国際法や多国間の合意により権利が守られているからこそ、経済面でのグローバルな成長が可能となっています。
一方、経済や金融に関わる法律は、実は単純なプロトコル的側面を多く有していますが、法の遵守を強制する社会的なコストは非常に大きくなっています。しかし、ブロックチェーンとスマートコントラクトの出現で、経済、金融に関連するプロトコル的な分野については、相当な部分を代替することが可能となります。理論的には、スマートコントラクトによって、契約行為、その履行、エージェンシーコスト(依頼人と代理人との利益相反により発生するコスト)やカウンターパーティーリスクの監視、紛争解決、刑事罰など、経済や金融にかかるあらゆるコストが不要になります。立法、司法、行政が果たす役割は将来的には次第に小さくなり、自律的かつ公正な高効率のデジタル金融市場がそれらを代替することになっていくでしょう。市場の番人は、国からプログラムされたプロトコルへ、国家の役割は、市場の法整備とその強制から、マネーロンダリング防止といったような監視の仕組み作りにシフトすると見ています。この変化を好機として捉える国家は成長するでしょうし、変化に抗う国家は長期的に凋落すると考えています。
橋本:ビットコインは、ビットコインを送金することに特化した仕組みで、小難しい条件付きでの送金や特殊な金融取引には全く不向きでした。それに対して、2014年、15年ぐらいに出てきたのがイーサリアムです。ビットコインを知っている人であれば、イーサリアムの名前も聞いたことがあるでしょう。これは送金形態の多様性を実現してくれるブロックチェーンであり、ほとんどのビジネスロジックがイーサリアム上で実現できます。イーサリアムのスマートコントラクトと呼ばれる機能を使えば、特殊なトークンの貸し借り、トークンの売買、条件付きの売買、例えば1カ月以内に価格がどうなっていたら送るといったようなデリバティブ契約に近いものも、実現することできます。いま、この世界に興味を持って手を出してみようと思う人は、かなりの確率でスマートコントラクトの世界に入ってくることになるでしょう。
DeFi(ディファイ=Decentralized Finance)と呼ばれるジャンルがあります。イーサリアムのスマートコントラクトを使って、複雑な商取引、金融取引をブロックチェーン上で実現しようという取り組みの総称がDeFiと呼ばれているものです。
2018年頃からさまざまなサービスが出てきました。最初、ブロックチェーン上でステーブルコイン、円にペッグしたようなトークンが登場しました。また、日本であればビットフライヤーやコインチェックのような取引所の機能そのものをブロックチェーン上で実現するものも登場しました。この流れは加速し、2020年の中ごろからDeFiの世界は一段と多様性が広がりました。取引だけではなく、貸し借りのサービスなども登場し、ユーザーがどんどん増えました。
いま、少し勉強して、暗号資産の世界に触れてみたいと思った人の多くがDeFiに投資することになると思います。たとえば、ビットフライヤー、コインチェックでイーサリアムを買い、このイーサリアムを自分のウォレットに送り、自分のウォレットからさまざまなサービスにアクセスして、DeFiを体験するという感じです。少し興味深い最近のトレンドは、あるサービスを利用するとそこが発行したトークンがもらえるというものです。サービス普及のために、初期の頃からアーリーアダプターとして使ってくれた人にサービスの名前を冠したトークンをあげるというのが、2020年中ごろから主流になっています。人々は、そのトークンをもらうためにDeFiの世界にどんどん飛び込んできて、それなりにリスクを冒しつつも、そのトークンをいかに集めるかを競っています。トークンには往々にして値段がつきますので、それを売却することもできます。DeFiの世界に100万円持ち込み、1カ月投資したら120万円になったというように、それなりの利率でどんどんトークンがもらえてしまう。こういった動きが最近のDeFiでは流行っています。
白井:いまは遊びのような感じであったとしても、将来的には、皆が興味を持ち、プログラムを開発し、お金を投資していく。スマートコントラクト、DeFiは、そのうち現在の銀行や証券、保険などの業務を代替するための知能集積になるように思います。
橋本:実際にそのような流れがあります。2018年からレバレッジ取引に加えて、オプション取引、プットオプション、コールオプションのようなサービスを、完全分散型としてブロックチェーン上で実現するプロジェクトが雨後の筍のように出てきています。
一方、デリバティブのやり取りについては、どの国でも規制があります。日本でデリバティブの事業を運営しようとしたらこの免許が必要、アメリカであれば何が必要といったように、多くの国がその国の居住者にデリバティブを提供するということに何らかの規制を課しています。ブロックチェーン上のスマートコントラクトでデリバティブをやり取りするサービスを実現することがどのように法律に抵触するかは、開発している人たちにとっては大きな懸念です。規制側もずっと議論を続けています。
白井:ローンや保険、ファンド的なDeFiもすでに出てきていますよね。規制側と開発側のせめぎ合いについて、もう少し詳しくお聞かせください。
橋本:興味深い事例をご紹介しましょう。世の中ではビットコインにレバレッジがかかったトークンやオプションのトークンが流通しているのですが、これがUniswap(以下、ユニスワップ)という分散型取引所で取引されていました。プログラムコードを書いた人は技術的に誰でもデプロイすること(=アプリケーションを利用可能な状態にすること)ができるし、デプロイされたものは、未来永劫、みんなが使うことができます。しかし、いったんデプロイされたものは勝手に使われるだけで、デプロイした人がデリバティブの事業を運営している訳でもありませんので、多くの人が、DeFiはどこの法律にも抵触しないのだろうと思っていました。
しかし、少し前に、ユニスワップのフロントエンド、つまりアクセスしやすくユーザーフレンドリーなインターフェースでつなぐユニスワップのウェブサイト上に、このデリバティブのトークンが表示されなくなる、という出来事がありました。ただ、コントラクト自体は引き続きブロックチェーン上にあるのです。
つまり、ブロックチェーンにデプロイすることはどこの法律にも抵触しなくても、多くのユーザーがアクセスしやすい形のサービスを提供することはどこかの法律に抵触したのかもしれません。ユニスワップが米国の法律の規制を受けるのであれば、米国でデリバティブを提供するために必要なライセンスの取得が必要なのかもしれません。そういう圧力が働いた可能性が考えられます。古典的な金融の世界と一線を画したところでデリバティブなどさまざまなものを実現できると思いきや、技術的にはできたとしても、それを使いやすくするための周辺サービスのようなところに対する規制から逃れることができない。ここをどのように乗り越え、もともとDeFiが目指していたような自由な分散型金融サービスをどう実現していくのかが大きな論点です。
メリットの裏に潜む避けられないバグ
白井:従来の金融技術をスマートコントラクトで作り変えると、具体的にはどのようなユーザー体験になるのでしょうか?
橋本:白井さんがご指摘のように、理論上、カウンターパーティーリスクはなくなりますので、これは非常に大きなイノベーションです。ブロックチェーンの世界は、鍵を持っていることが全てであり、それ以上でもそれ以下でもありません。社会的な知名度や銀行口座に幾らお金があるかは関係ありません。
金融機関で何らかの金融取引を行う際には、社会的な地位が高い人であればその信用が考慮され、担保の差し入れは恐らく少なくて済むでしょう。しかし、ブロックチェーンの世界では、私という人格は、私がブロックチェーン上で持っている資産が全てです。ブロックチェーンの世界は、一切、そういうものを参照することができません。そのため、デリバティブ取引をしようとしたときには、多くの担保の預け入れが求められることになります。ビル・ゲイツがブロックチェーン上で1億円持っているのと、私がブロックチェーン上で1億円持っているのとは、対等に扱われます。
人件費もかかりませんので、証券会社に払う手数料のようなものは、当然、安くなるでしょう。
白井:サービスの受け手とサービスの供給側との中間のコストがなくなり、人件費が無くなり手数料などのコストが下がるというのは、大きな利点だと思います。また、カウンターパーティーリスクがない点も非常に魅力的です。
中国は、2020年7月にデジタル人民元にスマートコントラクトを実装することを発表しました。また、これに加えて「ブロックチェーンサービスネットワーク(BSN)」というブロックチェーンのプラットフォームを作っており、デジタル人民元やスマートコントラクトとの融合を考えているのではと想像しております。BSNは、2020年4月25日に国内の商業利用向けにローンチされ、8月10日に世界的にローンチが行われたと報じられています。ホワイトペーパーによると2020年末には世界全体で200ノードに増えることが見込まれており、運用コストは従来のブロックチェーンサービスの20%程度、チェーンを形成して運用を開始するには年間わずか150~200ドルで済むと言われています。
私は技術者ではないため、その詳細についてわからないところも多いのですが、簡単に、しかも安くアプリケーションを開発できるようですので、ブロックチェーンのアプリケーションを開発する上では非常に便利な仕組みのようです。これで作られるアプリケーションにデジタル人民元が使われ、スマートコントラクトが活用されることになる。これは、決済などの人々の営み、現実社会の経済活動が、一体として機械仕掛けで動くという高効率な社会だと思いますが、いかがでしょうか。
橋本:ブロックチェーン上にスマートコントラクトがあるというのは、究極的にはプラットフォームとして完結できる概念です。これまで全銀ネットでやりとりされている円を使って個々のユーザーに何かサービスを提供しようと考えると、別のシステムを作り、資金を集め、大規模な開発を行うことが必要でした。一体としてつながってはいないものの中で、電子的なお金が依拠しているというのが現状です。デジタル人民元の例では、そこがひとつの共通基盤でカバーされることになる。これは非常に便利ですね。プライバシーの議論などをさておけば、ですけれど。
ただ、ひとつ忘れてはいけないのは、スマートコントラクトはバグがあったら大変という点です。イーサリアム上のさまざまなスマートコントラクト、DeFiでは、誰もが頑張ってバグがないように設計しているのですが、実際に多くのケースで、具体的には2件に1件ぐらいはバグがあります。バグがあると、そこに預けられているお金は全部ハッカーに持っていかれてしまいかねません。ハッカーにある程度のノウハウがあれば、いまのところ警察に捕捉されることなく、ドル紙幣や金(ゴールド)などに換金することができます。スマートコントラクトはバグがあると本当に大変なのです。
白井:えっ、バグはそんなに多いのですか?
橋本:世界で最初のスマートコントラクトのバグの事件として有名なのがThe DAO事件です。このときにはハッカーに数百億円ものお金が取られました。あまりにも被害の規模が大きかったため、「ブロックチェーンを少し巻き戻したほうがいいのではないか」という議論がなされました。そして、イーサリアムは巻き戻すことを選択しました。しかし、いまの世界で、巻き戻していてはきりがない。あまりにもいろいろなところでバグによって何億円、何十億円単位での資金が流出しています。かつてイーサリアムが巻き戻しを選択できたのは、ユーザーが一部のオタクだけであったからで、ここまで広がっていなかったから選択肢になったわけです。ただ、デジタル人民元の世界になってしまえば、絶対に巻き戻しはできません。
絶対に巻き戻すことができない中で、スマートコントラクトを使ったサービスをどんどん作っていくのは、相当にチャレンジングなことです。概念的にそこで閉じることができても、そこから抜け出すことができないということでもあります。慎重な開発のもとでもバグが避けられない中で、いろいろなサービスを普及させていくには、それなりに高いハードルが存在します。
ハッキングした犯人を見つけ出すことは、できる場合とできない場合があります。原理的にはできないのですが、見つかるケースは、結構、古典的な手法で見つかります。攻撃には最低限の資金、数万円程度をブロックチェーン上で用意する必要があるのですが、これをどうやって安全に入手するかというのは課題です。たとえばビットフライヤーで買ったイーサリアムを自分のウォレットに送ってハッキングの原資に使うことを考えた場合、まず必要なのはビットフライヤーの口座です。仮に本人確認に自分のパスポートを使っていたならば、捕捉されてしまいます。最初のビットコインの入手は意外と難しいのです。
仮に他人から買ったパスポートで登録したとすると、私とは関係がない人の名前のパスポートを使うことになるわけですが、接続時のIPアドレスが発覚の糸口になるケースもあります。IPアドレスを隠す技術はVPNなどいくらでもあるのですが、たまにVPNの接続が切れていたりして、意図せず本当のIPアドレスで接続していたりするケースもあるのです。そういうところがきっかけとなり、古典的なIPアドレスの捜査から捕まる場合もあったりします。
失われつつある匿名性
白井:世界的な暗号資産交換業者であるバイナンスが各国から非難を浴びており、サービスを縮小しています。一方、コインベースは上場し、空前の利益を出している。非常に対照的です。コインベースはアメリカの規制下、管理下にある一方、バイナンスは不透明な取引にも使われていたとも耳にします。
橋本:先ほど、ビットコインはトレースが容易と言いましたが、一方で、頑張れば隠すこともできる送金形態でもあります。ミキシングと言われる手法を使えば、お金の流れを隠そうとしているということはわかっても、一体どこに行ったのか、どう流れて行ったのかは捕捉できない。ビットコインでも、そういったことができるのです。しかし、例えば、米国の一番メジャーな暗号資産交換業者であるコインベースは、そういったお金の流れを隠そうとしてミキシングされたビットコインを受け取らないと決めました。誰もビットコイン自体を止めることはできませんが、使いにくくするという形で外圧がかけられてきています。ビットコインの使う幅が増える一方、本来の意味での使い方が難しくなってきているというのが実情です。
バイナンスが世界的な非難を浴びて、これまでのバイナンスでなくなってしまうのは、お金の流れを隠そうとしている人からすると、かなり厳しい流れです。ビットコインは、ミキシングをすればある程度の匿名性はあっても、ミキシングしていること自体は発覚してしまいます。怪しいお金の動きをしていると強く疑われると、コインベースの場合は口座を凍結されてしまいます。本当にミキシングをしたい人は、そういったことを避けるため、ミキシングしたビットコインをコインベースに送るのではなく、まずバイナンスに送り、そこからコインベースに送る。バイナンスの口座は一人でいくつでもつくることができます。1日当たり2BTC(※1)までは、本人確認なしで送金することができました。一人で複数の口座を作れるのであれば、ある程度のお金持ちでも、さほど面倒なく、自分が持っているミクシング済みのビットコインを完全に匿名を維持したままバイナンスに入れたり出したりすることができます。
バイナンスは本当に巨大な暗号資産交換業者で、ほとんどのユーザーが使っていると言っても過言ではありません。バイナンスから送られてくるビットコインは、普通のビットコインなのです。普通の人と同じビットコインを使うことができるのです。お金の流れが追えないだけでなく、追えなくしていることすらも隠すのが本当の匿名性なのですが、バイナンスは匿名性を完全に実現してくれるサービスだったのです。
バイナンスのような本人確認の緩さを売りにしている交換業者は、大手を含めて何社かあります。まだそこには矛先が向かっていないようですが、早晩、バイナンスと同じように業務を縮小せざるを得ないのではないでしょうか。
白井:アンチマネーロンダリングの視点は大事ですね。日本の暗号資産交換業者も、そのような取引に目を光らせています。ダークなお金が、現実社会や法定通貨の世界に入ってくることを、水際で止めているということですね。しかし、規制が強化されてグレーな部分が絞られていけば、業界に何が引き起こされるのでしょうか。
橋本:脱税ではないとしても、自分の細かいお金の流れはやっぱり捕捉されたくないでしょう。どこで車を買ったとか、どんな絵を買ったとか、そんなことまで知られたくありません。これまでは、ビットコインでかなりのことが実現できました。最低限の知識があれば、傍から見たら普通のものと何ら区別のつかないビットコインに替えることができましたが、これが今後、どんどんやりにくくなっていきます。ちょっとでも交換業者を経由しようとすると、捕捉されてしまう世界になってしまいます。
われわれのあいだで車を売買するときに、ビットコインのままずっと持っている、交換業者は使わないということであれば、ビットコインは非常に使いやすいのです。しかし、ほとんどの場合は、日本円に替えたい、ドルに替えたい、生活費に使いたいとなるので、捕捉されないお金のやりとりは非常に難しくなります。これは、避けたくても避けられない流れだと思います。
白井:大きな金額を瞬時に動かすには、ビットコインは最適ですし、二者間の送金であれば、一見、当局に捕捉されないように見えますが、そのビットコインはどこかで現実社会や法定通貨と繋がっています(払い手のビットコインの購入時や、受け手のビットコインの法定通貨やモノへの交換時)ので、そこで足がつくということですね。当局に捕捉されていないビットコインを持つ人が、ビットコインのまま保持する人に支払うのであれば成立する話ですが、閉じたデジタル空間だけの利用は現実的ではありませんね。
新しいサービスの多くは、当初はアングラ利用によって普及し、徐々に整備されつつ市民権を得ていきます。現在のビットコインは、導入期を過ぎて、市場が整備されつつあり、立派な資産として成長している過程に入っていると考えています。多くの既存金融機関が暗号資産への投資を表明していることが、その証左だと思います。
橋本:このような動きは、暗号資産の価格形成の点ではポジティブだと思っています。ビットコインが捕捉されるとしても、ポートフォリオを分散させる中でビットコインを持っておくのは問題ないという感覚は、それなりにお金を持っている人でも、ある程度、共通認識ではないでしょうか。
ビットコインがツイッターなどで使われる、ETFで投資できるようになるといったニュースを、世の中の人々は何となくポジティブと捉えています。それで買う人が増えれば、短中期的には価格上昇に寄与するでしょう。
一方であまり楽しくないような気もします。僕はオタク寄りの人間ですので、アナーキズム的なところ、ビットコインの魅力のようなものが損なわれていくのは面白くありません。面白くないと持っていたいという気持ちも薄れてしまいそうですが、資産価値としては悪くないという感覚です。
※1:大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)は、アカウントの引き出し限度額についての見直しを行い、本人確認のレベルが「ベーシック」であるアカウントの一日あたりの引き出し限度額を引き下げることを7月28日に発表。この変更により、これまでは本人確認のレベルがベーシックであっても一日あたり2BTCを引き出すことができたが、今後は一日あたりの引き出し限度額が0.06BTCとなる。この変更は、発表後、新規ユーザーに対しては即時に適用され、既存のユーザーに対しては2021年8月4日〜23日にかけて段階的に適用された。