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2020.04.24 安全保障

IMFのコロナシナリオと経済影響

中村孝也

IMFは4月の「世界経済見通し」のベースライン・シナリオで、2020年の世界経済成長率をマイナス3.0%、2021年をプラス5.8%と予測した。従来、2022年~24年はプラス3.6%成長が予想されていたが、今回は2022年以降の見通しには言及されていない。

ただ、状況があまりにも不透明なこともあり、上記のベースライン・シナリオの他に、コロナショックに応じて、3通りのリスクシナリオが提示されている。シナリオ1は、2020年のウイルス蔓延との戦いの影響を、ベースライン想定より約50%長く見積もったもの、シナリオ2は、2021年に2回目の感染が穏やかに発生することを考慮したもの(影響度は初回の2/3程度)、 シナリオ3は「2020年の長期化+2021年に再発」と、両者を組み合わせたものである。

シナリオ1では、2020年のGDPはベースラインを3%下回り、その後ベースラインに向かって徐々に回復するものの、ベースラインより約1%低い状態が続くことが見込まれている。シナリオ2では、2021年のGDPはベースラインをほぼ5%下回る。そして、シナリオ3の「2020年に長期化+2021年再発」では、2021年のGDPはベースラインをほぼ8%下回り、その後回復するが、2024 年でもベースライン4%超下回ったままとなる。ただ、2022年には2019年の水準を回復する見通しとなっている。

一方で、予想成長率を見ると、シナリオ3における2020~21年の予想は、ベースライン想定を大きく下回る。ただ、その分だけ、テクニカルではあるものの、2022~24年の伸びはベースライン・シナリオを上回る見通しとなっている。



(株式会社フィスコ 中村孝也)

中村孝也

株式会社フィスコ取締役
日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、暗号資産(仮想通貨)などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。