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2020.04.09 外交・安全保障

ロックダウンの経済影響

中村 孝也

4月7日、安倍総理大臣は、7都府県を対象とした「緊急事態宣言」を行った。新型コロナウイルスの感染者増加を抑制するために、人と人との接触機会を削減することによる経済活動の抑制が求められている。今回緊急事態宣言の対象とされた7都府県のGDP合計は全国GDPの48%に相当する。

3月27日、OECDは経済活動の厳格な停止(抑止ないしは封鎖:ロックダウン)によって生じる経済活動の低下幅の試算を公表した。ロックダウンは最大1/3の産業のGDPに直接影響する。ロックダウンが1ヵ月実施されれば年間のGDPは2%毀損され、緩和策が採られない状況でロックダウンが3ヵ月続けば4~6%の悪影響という結果である。仮に7都府県を対象として1ヵ月のロックダウンが実施された場合には、日本の年間GDPの1%程度の経済規模が縮小すると見積もることができるだろう。

供給面からの分析では、影響を受ける業種は多くの国で30~40%程度の規模であり、ロックダウンによるGDP への初期の影響は20~25%程度とのことである。先進国と主要な新興市場諸国全体の産出水準は15%以上減少する一方、中所得諸国の産出は25%以上減少する可能性が指摘されている。消費面からの分析では、主要先進国では民間消費は1/3程度あり、民間消費への初期の影響は30~35%と見られる。



(株式会社フィスコ 中村孝也)

中村 孝也

株式会社フィスコ 代表取締役社長
日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、暗号資産(仮想通貨)などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。

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