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2020.03.23 外交・安全保障

外貨準備高と対外純資産

中村 孝也

レバノンデフォルトの次は?【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】」でも論じた通り、レバノンでは外貨準備高の減少が継続していたことから、デフォルト宣言は時間の問題であったのかもしれない。世界の金融市場が信用リスクに警戒感を高めており、国の信用力への注目度も増している。

一般的に注目されるのは外貨準備高である。外貨準備高の上位国は、中国が3.2兆ドル、日本が1.3兆ドル、スイスが0.8兆ドル、サウジアラビアが0.5兆ドル、ロシアが0.5兆ドルなどである。もっとも対外純資産の方が外貨準備高よりは広い概念であり、そちらも併せ見ることが重要であろう。対外純資産から(引き揚げに時間を要する可能性が高い)直接投資を除外した部分を見ると、中国が3.0兆ドル、日本が1.7兆ドル、ドイツが1.7兆ドル、シンガポールが1.3兆ドル、香港が1.4兆ドルとなる。上位国の顔ぶれは随分と変わる。

韓国の2月貿易収支は41億ドルの黒字であったが、1ドル1,300ウォンに迫るウォン安が進んでいる。外貨準備高は4,244億ドル、対外純資産は4,360 億ドルとそれほど規模感は変わらないが、直接投資を除外した対外純資産は2,756億ドルであり、かなり小さく映る。もっとも、3月19日に新型コロナウイルスによる危機対応の一環として、米連邦準備理事会(FRB)と韓国銀行が600億ドル限度の通貨スワップ協定を締結しており、目先のリスクは回避された。ちなみに、今回の協定の期間は少なくとも6カ月となり、2007~2009年の金融危機時にも通貨スワップ協定を締結していた。



(株式会社フィスコ 中村孝也)

中村 孝也

株式会社フィスコ 代表取締役社長
日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、暗号資産(仮想通貨)などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。

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