ピュー研究所(Pew Research Center)の調査によると、米国の成人のうち10人に9人(89%)が、中国をパートナーではなく競争相手や敵だと考えているという。米国の対中観は厳しさを増している。中国の権力と影響力を制限することが米国にとって最優先の外交政策と考える向きは、2018年の32%から48%に増加した。また、中国に対して「冷たい」感情を抱いている向きは、2018年の46%から67%に増加した。
中国からのサイバー攻撃、米国の雇用喪失、中国の軍事力の増大、中国の人権政策の4つについては、半数以上が非常に深刻と回答している。中でも、中国からのサイバー攻撃については65%が強い懸念を示しており、2020年から7%ポイント増加した。また、アメリカ人の半数が、中国の人権政策は米国にとって非常に深刻な問題であると答えており、こちらも2020年から7%ポイント増加し、50%であった。中国への雇用喪失を非常に深刻な問題と見なす向きは、2020年から6%ポイント増加し、53%となった。
中国との交渉について、バイデンに信頼を置いているのは53%と、他の外交問題を処理する上でのバイデンに対する信頼感をいずれも下回る。民主党員と民主党寄りの無党派層の83%はバイデンが中国に効果的に対処できると評価しているのに対し、共和党員と共和党寄りの無党派層では19%にとどまっている。中国に関するその他の多くの問題についても、党派によって大きく意見が分かれているようだ。
(株式会社フィスコ 中村孝也)