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2021.01.07 外交・安全保障

日本の競争力、自然科学系論文と特許出願

中村 孝也

コロナ論文で劣後した日本」では、新型コロナウイルス研究に関する国別動向として、日本の総論文数、被引用数が上位5ヵ国には入っていないこと、感染症論文の実績でもシェアは3%程度、順位も6~9位の間で低位で安定していることを紹介した。

研究開発のアウトプットの一つである論文(自然科学系)に着目すると、日本の論文数(2016~18年の平均)は、中、米、独に次ぐ第4位であった。10年前と比較して、日本の論文数は微減であるが、他国・地域の論文数の増加により順位を下げる結果となった。特に注目度の高い論文において、順位の低下が顕著である点が気にかかる。科学技術予算と論文数の間には正の相関が確認される。地位の低下は抑制的であった科学技術予算が背景とも指摘されるが、科学技術予算は、2000年代の横ばい局面を脱し、ここ数年は漸く増加傾向に転じてきた。

一方、特許出願に着目し、各国・地域から生み出される発明の数を国際比較可能な形で計測したパテントファミリー数を見ると、1993~95年は米国が第1位、日本が第2位であったが、2003~05年、2013~15年では日本が第1位、米国が第2位となっている。日本のパテントファミリー数の増加は、単一国ではなく複数国への特許出願が増加したことを反映した結果である。こちらは日本の競争力の存在を示す心強い内容ではあるが、「5G特許出願」のように他国の後塵を拝してしまっているものも存在する。なお、2013~15年の中国は第5位であるが、着実にその数を増やしつつある。

(株式会社フィスコ 中村孝也)

中村 孝也

株式会社フィスコ 代表取締役社長
日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、暗号資産(仮想通貨)などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。

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