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2020.12.21 安全保障

日本のデジタル産業は全体の7%

中村孝也

「デジタル産業」の定義は各国によって異なる。そのため、2018年11月にOECDは、各産業におけるデジタル関連の財・サービスの供給・使用構造を明らかにし、デジタル化に関して国際比較可能なデータを集めるための枠組みを提案した。内閣府の「デジタルエコノミーに係るサテライト勘定の枠組みに関する調査研究」報告書では、このOECDの枠組みに基づき、わが国の経済を「デジタル産業・非デジタル産業」、「デジタル生産物・非デジタル生産物」に分類して、デジタルSUTの全体像を試算している。具体的には2015年の「経済センサス-活動調査」(2018年公表)を用いて、同年のデータが作成された。

当報告書によると、2015年のデジタル産業の産出額は71.4兆円(全体の7%)、デジタル産業の粗付加価値額は37.4兆円(全体の7%)であった。粗付加価値額が大きいのはデジタル基盤産業(30.5兆円)で、プラットフォーム及び自社サイトに依存する企業(4.3兆円)、デジタル仲介プラットフォーム(1.7兆円)、E-テイラー(0.5兆円)、デジタル専業金融・保険業(0.3兆円)が続く。国内家計現実最終消費のうち、デジタル注文による支出額は約32.7兆円(全体の8.9%)。デジタル注文による輸出額は約25.6兆円(全体の約27.8%)。デジタル注文による輸入額は17.4兆円(全体の18.2%)となっている。

デジタルSUTは、OECDが共通の定義を定め国際比較可能な形でデジタルエコノミーの全貌を明らかにしようとする試みであるが、この枠組みを踏襲した他国の推計の例はまだ存在せず、より簡略化した(カバレッジの小さい)デジタルエコノミーの規模等の推計は、アメリカ・カナダ・オーストラリアなどで行われているとされている。

(株式会社フィスコ 中村孝也)

中村孝也

株式会社フィスコ取締役
日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、暗号資産(仮想通貨)などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。