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2020.10.23 安全保障

暗号資産普及率は2桁に到達

中村 孝也

University of Cambridgeの「3rd Global Cryptoasset Benchmarking Study」では、2020年第1~3四半期にサービスプロバイダーで開設された1億9,100万アカウントのうち、最大1億100万人のユニークな暗号資産ユーザーの存在が推定されると分析している。

暗号資産のアカウント数は2016年が4,500万件、2017年が8,500万件、2018年が1億3,900万件、2020年第1~3四半期が1億9,100万件と推移する一方、身元確認済みのユーザー数は2016年が500万件、2017年が1,800万件、2018年が3,500万件、2020年第1~3四半期が1億100万件と推移した。控えめに見積もった暗号資産ユーザー数のユーザー数として、「身元確認済みのユーザー数」が紹介されている。2020年第1~3四半期のユーザー数は2018年比189%増となったが、これはアカウント数の増加(37%増)に加え、個人のIDにリンクされているアカウントの割合が増加したためと説明されている。

「さまざまなサーベイでは、 2018年央時点で先進国の人口の2~9%、2,800万~1億2,600万人のユニークユーザーが暗号資産を所有していた」という結果も紹介されている。「暗号資産の普及率と国の信用力」でも触れた通り、暗号資産普及率にはユニークな数値が存在するわけではないが、これらを踏まえると、暗号資産普及率は2桁に乗せた可能性が高いと見られる。

(株式会社フィスコ 中村孝也)

中村 孝也

株式会社フィスコ 代表取締役社長
日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、暗号資産(仮想通貨)などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。

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