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2020.10.01 外交・安全保障

OECD景気見通しのアップサイドシナリオ、ダウンサイドシナリオ

中村 孝也

OECDが実施した経済見通しの中間見直しでは、2020年の世界経済成長率はマイナス4.5%、2021年はプラス5.0%と予想されている。6月時点の見通しと比較すると、2020年は1.5%の上方修正、2021年予想は0.2%の下方修正となった。2020年の見通しは全般的に上方修正されたが、一部の新興国に厳しい見方が採られており、具体的には、メキシコ、アルゼンチン、インド、インドネシア、サウジアラビア、南アフリカで下方修正となった。

前回の経済見通しではメインシナリオの「シングルヒットシナリオ」に、2021年に感染第二波が到来する「ダブルヒットシナリオ」が添えられる形となったが、今回は前述のメインシナリオに対して、後述のアップサイドシナリオ、ダウンサイドシナリオの2つのシナリオが添えられる形となっている。

アップサイドシナリオは「自信の回復」で、ウイルスの再発生が軽度でコントロールが容易になり、消費者や企業の信頼感が高まり、消費や生産の回復がより強くなるという想定である。主要先進国では2021年前半に家計貯蓄率が1.5%ポイント低下することで、2021年のピーク時に世界のGDPは約2.5%(ベースライン比)増加し、2021年通年の世界GDP成長率への影響は2%pt近くに達する。

一方、「不確実性の高まりと感染症の再燃」がダウンサイドシナリオであり、ウイルスが再び強さを増すにつれて消費者信頼感は低下することが想定されている。主要国の家計貯蓄率は2020年第4四半期と2021年第1四半期に1%pt上昇し、2021年前半に世界株価は15%下落、非食料品価格は10%下落、社債と株式のリスクプレミアムは50bp上昇する。ショックのピーク時には世界のGDPが3.75%以上(ベースライン比)低下し、2021年通年の世界GDP成長率が2.5~3%pt低下する。それでも「2022年初頭までにワクチンが利用可能になる」ことが前提であり、依然として「感染症次第」という面が大きい。


(株式会社フィスコ 中村孝也)

中村 孝也

株式会社フィスコ 代表取締役社長
日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、暗号資産(仮想通貨)などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。

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