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2020.08.19 安全保障

ゾンビ企業の分析(2)

中村孝也

ゾンビ企業の分析(1)」では国際決済銀行(BIS)の「The rise of zombie firms: causes and consequences」を紹介したが、当レポートの射程であった2016年以降も着実に「ゾンビ企業」は増えている。ドイツ銀行によると、米国のゾンビ企業の構成比は20%とのことである。

ゾンビ企業は、ヘルスケアやテクノロジーなどの業種に多く見られるようだ。ヘルスケアでは(医薬品というよりも)バイオセクターにゾンビ企業が多い。売上がないにも関わらず、金利費用を払わなければならない企業が多いことが影響している。また、成長性に重きを置いているテクノロジー企業の中にもゾンビ企業が多いようだ。

また、規模別には小型株にゾンビ企業が多いようだ。米国のS&P500(大型株)、S&P400(中型株)、S&P600(小型株)という3種類の株価指数の構成銘柄を対象にすると、大型株のうち5銘柄、中型株のうち9銘柄、小型株のうち32銘柄がゾンビ企業に該当する。ゾンビ企業といっても、「成長企業」と「借金漬けの企業」が混在しているということなのだろう。

一方、IMFは企業の脆弱性を見るために、インタレスト・カバレッジ・レシオが低い企業の比率を国別に比較している。米国は10年間で若干の増加にとどまっている。大きく増加しているのは中国であり、日本はむしろ減少していることが指摘されている。



(株式会社フィスコ 中村孝也)

中村孝也

株式会社フィスコ取締役
日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、暗号資産(仮想通貨)などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。