実業之日本フォーラム 実業之日本フォーラム
2020.12.23 外交・安全保障

日銀短観、一時改善も非製造業で先行き悪化

中村 孝也

12月14日に発表された日銀短観では、全規模・全産業の直近DIがマイナス15と、9月調査のマイナス28から改善した。先行きDIはマイナス18で、若干低下が予想されている。製造業は横ばいから若干改善が見込まれている一方、非製造業は若干の悪化が予想されており、特に規模の小さいところで予想悪化幅が大きい。GoToトラベルなどの恩恵もあり、いったん改善したものの、新型コロナウイルスの感染再拡大などが懸念されているようだ。

大企業・非製造業の業況判断DIはマイナス5と、前回調査に比べて7ポイント改善した。一方、中小企業は厳しく、足元の業況判断DIでマイナス12となった。幅広い業種でコロナ感染再拡大の影響が懸念されており、先行きさらにマイナス20への悪化が見込まれている。とりわけ非製造業において、建設、不動産、宿泊・飲食サービスで2桁の悪化幅が予想されている。建設の投資需要減少や、GoToトラベルの見直し、飲食店における営業時間短縮の影響が懸念される。

売上・利益については、2020年度の全産業で8.6%減収、35.3%経常減益計画である。9月調査から増収率で2.1ポイント、経常増益率で9.5ポイント下方修正された。上期は43.4%経常減益であったのに対して、下期は25.3%経常減益計画である。全規模の資金繰り判断DIは9月調査のプラス5からプラス7に改善する一方で、貸出態度判断DIはプラス19からプラス18に若干低下した。

(株式会社フィスコ 中村孝也)

中村 孝也

株式会社フィスコ 代表取締役社長
日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、暗号資産(仮想通貨)などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。

著者の記事