暗号資産投資の意義(1):デジタル法定通貨の普及

2021.01.12

暗号資産市場が久々の活況を呈している。2020年12月、ビットコインは2017年12月に付けた230万円台の高値を3年ぶりに更新し、2021年1月7日にビットコインは400万円を突破した。まさに破竹の勢いである。イーサリアムも1月7日には13万円台に乗せ、2017年12月に付けた18万円台が迫ってきた。コロナショック直後の安値からはビットコインは9倍、イーサリアムは14倍の上昇である。

このような高いボラティリティは暗号資産の投資妙味の一つには違いない。ただ、暗号資産に投資する意義はそれに限ったものではない。数回に分けて、デジタル法定通貨の普及、デジタル資本革命、金へと変貌する暗号資産、資産保全のための分散投資の意義、を論じることで暗号資産投資の意義を再検討してみよう。

2020年はデジタル法定通貨誕生の年であった。10月20日、バハマ中央銀行はデジタル通貨「サンドダラー」を発行し、世界初の中央銀行デジタル通貨が誕生した。10月28日には、カンボジア国立銀行がデジタル通貨「バコン」を正式に発行し、世界で2番目の中央銀行デジタル通貨となった。他方、10月に深センで実施されたデジタル人民元の実証実験では、5万人の市民にデジタル人民元が配布され、130万ドル分のデジタル人民元が利用されている。

デジタル通貨に対する世界の中銀のスタンスも積極化しつつある。基軸通貨の恩恵を享受するアメリカもデジタルドルの発行に決して前向きではなかったが、2020年6月17日、パウエルFRB議長は「法定デジタル通貨は、真剣に研究する案件の一つ」、「世界の基軸通貨としての地位を保つ必要がある」、「ドルは各国の準備通貨であり続ける必要がある」などと述べた。日本もデジタル通貨発行には消極姿勢を示していたが、政治的な後押しもあってか、日銀の消極姿勢にも変化が見られるようだ。2020年1月、日銀は他中銀などとデジタル法定通貨の共同研究のための組織を立ち上げたと発表し、7月20日には、決済機構局決済システム課に「デジタル通貨グループ」が設置された。

(株式会社フィスコ 中村孝也)


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