「昭和61年度に講ずべき措置を中心とする行政改革の実施方針について」に基づき、総務省において許認可等の統一的把握が行われている。具体的には、法律、政令、省令及び告示において、許可、認可、免許、承認、検査、登録、届出、報告等の用語を使用しているものを把握したものである。
2017年4月1日時点で把握された国の許認可等の根拠となる法令は15,475件であった。府省等別に見ると、多い順に国土交通省(2,805件)、厚生労働省(2,451件)、金融庁(2,353件)、経済産業省(2,261件)、農林水産省(1,770件)などであった。根拠条項等数は、2002年4月1日時点の10,621件からは1.5倍となっている。最近の状況は分からないまでも、これまで規制の数は着実に増えてきた。「規制自体が完全に廃止される場合は、その根拠条項等も廃止されるため、許認可等の根拠条項等数は減少するが、それ以外の場合は、許認可等の根拠条項等が残るため、許認可等の根拠条項等数の減少には結び付かない、又は、許可であったものの一部について届出で足りることとしたときに、届出の根拠条項等が新たに設けられる等により、根拠条項等数が増加する場合も多い」と説明されているが、それはスクラップ・アンド・ビルドの難しさの裏返しでもあろう。
規制の強さを見たものが「許認可等の用語分類別の根拠条項等数」である。一般的な禁止を特定の場合に解除する行為、特定の権利等を設定する行為等(例:許可、認可、免許、指定等)を「強い規制」、特定の事実や行為が、あらかじめ定められた基準等を満たしているか否か審査・判定し、これを公に証明する行為等(例:認定、検査、登録等)を「中間の規制」、一定の事実を行政庁に知らせるもので、行政庁は原則として記載事項を確認し、受理するにとどまるもの等(例:届出、提出、報告等)を「弱い規制」として、根拠条項等数を用語の分類別にみると、弱い規制(届出、提出、報告等)が全体の50.9%と最多である。もっとも「強い規制」の件数は、2002年の3,985件から2017年には4,937件に増えており、規制緩和の方向とは言いづらいだろう。