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2020.10.30 外交・安全保障

韓国の對日依存非敏感戦略物資とは?

中村 孝也

2020年6月30日、韓国貿易協会の国際貿易通商研究院はTrade Focus「日本の輸出規制1年、3大規制品目の輸入動向と對日依存非敏感戦略物資の確認」を公表し、「對日依存非敏感戦略物資100品目」には特別な注意が必要と主張した。

HSコードで1,932件の非敏感戦略物資のうち、日本に年間100万ドル以上支払い、日本への輸入依存度が70%以上という条件を満たすものは100品目である。HS コード2桁で分類すると、53品目がHS84(原子炉ボイラーおよび機械および部品)、85(電気機器とその部品)、39(プラスチックと製品)に属しており、上位3品目で56.7%を占める。日本政府が2019年7月に輸出規制を見直したフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの3品目も非敏感品目であり、「日本が追加の輸出規制を断行する場合、非敏感品目がその対象になる可能性が高い」と分析している。

同じ条件で「中国の對日依存非敏感戦略物資」を抽出してみよう。中国が日本に年間100万ドル以上支払い、日本への輸入依存度が70%以上で、キャッチオール規制の類に属しているのは66品目である。HSコード2桁で整理すると、11品目がHS29(有機化学品)、72(鉄鋼)に属している。一方、「日本の對中依存非敏感戦略物資」に該当するのは僅か7品目に限られる。

(株式会社フィスコ 中村孝也)

中村 孝也

株式会社フィスコ 代表取締役社長
日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、暗号資産(仮想通貨)などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。

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