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2020.10.20 外交・安全保障

日銀短観、業況は緩やかに回復

中村 孝也

日銀短観9月調査によると、大企業・製造業の現状業況判断DIは▲27と、前回の▲34から改善した。非製造業の現状業況判断DIは▲12と、前回の▲17から改善した。製造業の先行き業況判断DIは▲17ともう一段の改善を見込む一方、非製造業は▲11とほぼ横ばいが見込まれている。

また、大企業の回復と比較すると、中堅・中小企業の回復は劣後している。中小企業については、製造業では自動車、非製造業では小売、通信、宿泊・飲食サービスの回復が大きかった。もっとも、自動車、小売、宿泊・飲食サービスについては極度の落ち込みからの反発という色彩が大きい。業況が「良い」という指摘を上回る業種は、建設、通信、情報サービス、電気・ガスに限られる。2020年度の会社計画は、6月調査との比較では、全般的に下方修正された。大企業は5.0%減収、20.8%経常減益計画であるのに対して、中小企業は9.3%減収、45.9%経常減益計画である。

企業の資金繰り判断は全規模で6月調査の+3から+5に改善した。内訳は、大企業、中堅企業は横ばいであったのに対して、中小企業は-1から+2へと改善した。金融機関の貸出態度判断は、全規模では6月調査の+19から+19と横ばいであったが、中小企業では+19から+20に改善した。

(株式会社フィスコ 中村孝也)

中村 孝也

株式会社フィスコ 代表取締役社長
日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、暗号資産(仮想通貨)などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。

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