「中国を好きな国、嫌いな国」では、Pew Research Centerによる34ヵ国を対象とした世論調査を引用し、中国を「好ましい」と回答した比率の中央値が40%であるのに対して、「好ましくない」という回答は41%と、結果が拮抗していたことを紹介した。今回は「米国を好きな国、嫌いな国」について見てみよう。
Pew Research Centerは、米国を除く13ヵ国の13,273人の回答者を対象に実施した世論調査結果を公表している(調査期間:2020年6月20日~8月3日に)。米国を「好ましい」と回答した比率の中央値は34%であるのに対して、「好ましくない」という回答は64%と、前者を大きく上回った。対象国の違いはあるものの、単純な比較によると、世界からの見方は、中国に対しては拮抗している一方、米国に対しては「好ましくない」という見方が優勢である。
対象国の中では、「好ましい」という回答が多かったのは韓国(59%)などであり、少なかったのはベルギー(24%)、ドイツ(26%)などであった。ちなみに日本は「好ましい」という回答が41%であった。これは13ヵ国の中央値を上回るものの、「好ましくない」という見方(54%と)の比率を下回る。米国を「好ましい」と見る向きの割合は、約20年前にこのトピックについての投票が開始されて以来の最低水準に落ち込んだ。これは「コロナへの対応が一因」という見方が紹介されている。
当調査は「世界の主要な経済大国」も質問している。13ヵ国の中央値では、「米国」という回答が34%であったのに対して、「中国」という回答は48%であった。調査対象国の中で地理的に中国に近い韓国と日本は「米国」という見方が多かったが、他の国は中国という回答が上回った。今回の調査では対象とされていない地域について、以前の調査では、南米、アフリカ、中東では「米国」と回答する向きが多かったようだ。
(株式会社フィスコ 中村孝也)