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2020.07.03 外交・安全保障

「国際金融都市TOKYO」は再始動するか?

中村 孝也

6月25日、自民党政務調査会は「ポストコロナの経済社会に向けた成長戦略」を公表した。「ポストコロナ成長戦略」として、(1)感染症対策の徹底 ~国内外の人的信頼関係の回復~、(2)生活者目線での徹底したデジタル化 ~国民の自律・選択を支え、国民・地域を繋ぐ~、(3)行政のデジタル化・規制改革の徹底 ~国民の信頼・利便に応える~、(4)デジタル田園都市国家へ ~「集中から分散」、「画一から多様性」~、(5)産業・企業のビジネスモデル&資本主義の変革、(6)「国際金融都市TOKYO」実現、金融機能強化とキャッシュレス化推進、(7)科学技術・イノベーションの推進、環境・エネルギーの戦略策定、(8)コロナ後の厳しい国際競争環境の中で存在感ある日本を創る、という8項目が掲げられている。

大項目の中には「国際金融都市TOKYOの実現」も含まれている。ブルームバーグは、片山さつき氏のコメントとして、党の成長戦略への国際金融都市・東京実現への戦略の明記は、「久しぶり」であるとした上で、政府が7月中に決める経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)にも一定程度、盛り込まれるとの見方を示した、と報じた。自民党の成長戦略と、政府の骨太の方針および成長戦略との関係はそれほど明確でない。6月22日に公表された「「経済財政運営と改革の基本方針2020(仮称)」骨子(案)」には「国際金融都市TOKYOの実現」の片鱗をまだ見てとることができないが、最終的なペーパーにどういった内容が盛り込まれていくかが注目されよう。



(株式会社フィスコ 中村孝也)

中村 孝也

株式会社フィスコ 代表取締役社長
日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、暗号資産(仮想通貨)などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。

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