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2020.04.01 安全保障

新型コロナショックと中国景気対策

中村 孝也

新型コロナショックを受け、各国とも景気対策を準備中であるが、中国でも大型景気対策が検討されているようだ。21世紀経済報道によると、今後の重大項目投資として、13の省と都市のインフラに関して総額34兆人民元(530兆円)を投じることが公表されており、2020年は3兆元(47兆円)の投資が行われる。

リーマンショック後は「中国の4兆元対策」が注目された。2008年10月の三中全会で経済政策の方針が「調整」から「成長」に転換され、11月9日には「2年で4兆元の財政刺激策」が公表(GDP 比10%超)、11月27日には国家発展改革委員会が各事業分野の大枠を発表した。これを受けて、中国のインフラ投資は、2018年1~11月の前年同期比14.5%増から、1~12月に同18.4%増、2019年1~2月は同43.5%増と伸びていった。

今回も中国の景気対策の効果は「固定資産投資統計」と「地方債発行」で確認していくことになろう。なお、3月17日付ロイターは「全人代と政協を4月末か5月上旬に開催することを暫定的に計画」、「中国国家発展改革委員会が、中国経済は第2 四半期に正常化するとの見通しを示した」などと報じている。



(株式会社フィスコ 中村孝也)

中村 孝也

株式会社フィスコ 代表取締役社長
日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、暗号資産(仮想通貨)などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。

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