日米共同実動演習「キーン・ソード21」

2020.11.10

10月26日から11月5日までの間、日米が隔年で行う共同演習「キーン・ソード21」が日本周辺で行われた。この共同演習は1985年に開始されたものであり、今回は15回目の実動演習である。「実動演習」と机上にて部隊を運用する「指揮所演習」とが交互に行われる。自衛隊からは統合幕僚監部、陸・海・空の人員約37,000人、ヘリコプター搭載型護衛艦「かが」を含む艦艇約20隻、航空機約170機が参加した。米軍からはロナルド・レーガン空母打撃群の艦艇や空母艦載航空団、USSアシュランド(戦車揚陸艦:LST48)、CTF72(第7艦隊哨戒偵察航空部隊)、第5空軍から合わせて100機以上の航空機と陸・海・空・海兵隊約9,000人の人員が参加した。さらに、カナダ海軍のハリファックス級フリゲート艦ウィニペグ(FFH338)も参加している。

演習初日の10月26日、山崎幸二統合幕僚長とケビン・シュナイダー在日米軍司令官は、横田基地から米空軍のCV-22オスプレイにて四国沖を行動中の海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「かが」に向かった。ケビン・シュナイダー在日米軍司令官は「演習は日米の準備態勢と相互運用性を強化する目的がある。この演習で日米同盟の強さが増していることを明確に示し、新型コロナウイルスによる世界的影響にも関わらず、日米同盟は衰えることなく、戦い、勝利するための準備を続けている」とコメントした。また、山崎幸二統合幕僚長は「日本周辺の安全保障状況はますます厳しくなっている。共同演習は日米同盟の強さを示す機会となる」と意気込みを表明した。

今回の演習は、日本本土と沖縄県、鹿児島県の離島や周辺海域において、武力攻撃事態などに備えた日米共同対処要領などを訓練するものであった。訓練項目は、水陸両用戦、陸・海・空各作戦、統合後方補給、サイバー攻撃対処、統合電子戦、宇宙状況監視などだ。航空自衛隊は、今年5月に宇宙作戦隊を新編した。日本もようやく宇宙という新たな領域の防衛に着手したばかりであり、今回の演習は絶好の訓練機会になったにちがいない。また、島嶼防衛訓練として、米海兵隊第3海兵遠征軍と陸上自衛隊の水陸機動団が、鹿児島県南西部の離島、臥蛇島で共同対処訓練を実施した模様だ。

2つ以上の国の軍隊が共同して行動する場合には多くの困難を伴うが、演習の結果、信頼性が向上し、連携が強化される。11月3日からインド沖ベンガル湾で、日米に加え豪印を含めたマラバール演習が開始された。オーストラリのスコット・モリソン首相は、11月中旬に来日し、自衛隊と豪州軍との共同演習などに関する「日豪円滑化協定」を締結する方向で調整しているという。マラバール演習においても参加国が困難を乗り越え、演習目的が達成され、大きな成果を収めることを期待したい。

サンタフェ総研上席研究員 將司 覚
防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。P-3C搭乗員、飛行隊長、航空隊司令歴任、国連PKO訓練参加、カンボジアPKO参加、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動教訓収集参加。米国海軍勲功章受賞。2011年退官後、大手自動車メーカー海外危機管理支援業務従事。2020年から現職。

写真:Keizo Mori/アフロ


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