DX時代において、日本が各国に後れを取らないためには、組織として「オープンイノベーション」のマインドを持つ必要がある。
「オープンイノベーション」とは、社内の人材や技術、ノウハウや知識といった資源だけでイノベーションを起こそうとするのではなく、外部の技術やアイデアなどの資源を積極的に取り入れ、これまでにない革新的な製品やサービスを生み出そうという概念である。
スタートアップとの連携を通じたオープンイノベーションに積極的な大企業の人気ランキング調査「イノベーティブ大企業ランキング2020」のうち上位10社におけるオープンイノベーション活動について見ていく。本調査はイノベーションリーダーズサミット(ILS)実行委員会が経済産業省と共同で実施した、国内や海外のベンチャーキャピタリストなど128名によって選出された有望スタートアップ企業約1,200社を対象としたアンケートである。
「イノベーティブ大企業ランキング2020」で上位となったのは、スタートアップ投資に積極的なKDDI、トヨタ自動車、ソフトバンク/ソフトバンクGで、2019年に引き続きトップ3を維持した。JR東日本、ソニーが、昨年から順位を上げて新たに5位圏内へ、凸版印刷、三井不動産が10位圏内へランクインした。
イノベーティブ大企業ランキング2020:TOP10
(「イノベーティブ大企業ランキング2020」を基にフィスコが調査)
近年、グローバル化、市場のニーズ多様化、新興国の台頭等と背景に、製品ライフサイクルが短期化してきている。さらに、企業間競争が激化しており、企業はスピード感を持って価値を次々と創出する必要がある。そのため今後は、日本の持つ「強み」や「優位性」を活かした戦略策定のもと、国内外問わず優秀な人材を確保し、大学やベンチャー企業が保有する外部のアイデアを活用するなどオープンイノベーションの推進が必要不可欠である。