東京商工リサーチが2月18日に発表した「第13回 新型コロナウイルスに関するアンケート調査」によると、緊急事態宣言の事業への影響について今回と前回(2020年4-5月)を比較した場合、「前回の方が大きい」と回答した企業は「今回の方が大きい」と回答した企業よりも多かった。また、「コロナ禍」の業績への悪影響は、東日本大震災の時よりも大きかったことが伺える。
今回の緊急事態宣言の影響については、「前回と影響は変わらない」が36.2%、「影響は大きい」が14.1%、「影響は小さい」は38.1%であった。「影響は小さい」という回答は、大企業で47.1%であったのに対して、中小企業は36.5%にとどまった。「影響は小さい」理由は、「前回ほど客足や商談が減っていない」が47.8%で最多となった。以下、「取引先が前回ほど出社人数を抑制していない」の22.6%、「前回ほど自社の出社人数を抑制していない」の21.9%と出勤率関連が続く。「業務体制の構築」や「経営改善」も多かった。
東日本大震災(2011年3月)とコロナ禍の業績へのマイナス影響については、マイナスの影響が「コロナ禍」の方が大きいと回答した企業は64.8%、「東日本大震災」は12.5%であった。企業規模別でみると、「東日本大震災」の方がマイナス影響が大きいという回答は、大企業で14.1%だったのに対し、中小企業は12.3%にとどまった。東日本大震災は、インフラや物流の寸断、工場の被災などサプライチェーンで大きな影響を受け、取引先数の多い大企業への影響が深刻だったと説明されている。